おらしょ in 大村
9月13日 開場18:00 開演18:30 シーハットおおむらさくらホール
「おらしょ」は、かくれキリシタンの祈り。平戸市壱部地区かくれキリシタン信者の皆さんによる公演が決定しました。大村は、日本初のキリシタン大名、大村純忠によってキリスト教が広まり、また、その後の弾圧によってかくれキリシタンが存在した地。400年秘められた祈りが大村で響く貴重な公演です。ぜひ、ご来場ください。
チケットは、シーハット大村で扱っています。
平戸のおらしょについて
おらしょは、かくれキリシタン信仰で唱えられてきた祈りで、生月島では信仰が主体的に継承されている四集落(壱部、堺目、元触)と御崎に継承されてきました。壱部では昔からはゴショウ(後生、御書、御誦詞)と呼ばれ、おらしょ(おらっしゃ)は後述
する旋律を付けて唄われるもの(いわゆる「唄おらしょ」)のみを指しました。
津元(ツモト=組)の行事などで唱える形は、多くの祈りを決まった順番に唱えていく形を取っていますが、そうした形の基本は、三十ほどの祈りで構成される「一通り」です。
一通りの最後の方には、三曲の唄おらしょ(ラオダテ、ナジョウ、グルリヨーザ)が配されていますが、祈願や死後供養の行事の際には唄おらしょを唱えない形が取られます。
また一通りで唱える個々の祈りのうち、いくつかを唱える形を「六巻」といい、比較的小さな行事や個人の朝夕の祈りなどで用いられます。また六巻をベースにキリアメマリアの祈りを七百遍唱える「長座)」という形もあります。一通りの唱える順番は、キリシタン時代に信者が最初におらしょを習得(暗記)する時に唱えていた順番と同じである事が、宣教師報告の記述から確認されています。ほかに御爺役が「お授け」や「戻し」の時に唱える、特別なおらしょもあります。
本来的におらしょは、かくれキリシタン信仰の行事の中で、信仰対象に祈りを捧げ、祈願する目的で唱えられるものである事を、まず御理解いただきたいと思います。かくれキリシタン信仰の行事は、津元と呼ばれる組の御神体を祀る家など、御神体が存在する場所や、聖地で唱えられるのが普通です。おらしょは基本的に、個々の信者の方が祈りを唱えていくものです。例えば師匠格の人の祈りに合わせるとか、一つの祈りの終わりで待って、次の祈りの頭から揃えて唱え始めるというのはありますが、合唱のように声
を揃えるのが決まりになっている訳ではありません。そのため状況によっては文句が早かったり遅かったり、音声が高かったり低かったりがありますが、それが本来的なものである事を、御理解下さい。
また暗唱なので、祈りの途中で信者が文句を失念する事もあります(これをサヤドマリと言います)。その時には唱えている他の信者さんの文句を聞いて、適当な所で再開します。
壱部の「一通り」
元・(申し上げ)
・でうすぱいてろ
・万事に叶い給う
・れれにめーれすかあれす
・うらうらのーべす
・でうすぱいてろ
・こまおらっしゃ
・パアテルノステル
・アベマリヤ
・ケレド
・サルベ、レジナ
・十のマダメント
・サンタエケレンジャのマ
ダメント
・根本七悪
・サンタエケレンジャのサ
カラメント
・慈悲の所作
・ベンツランサ
・万事叶い給う
・ミジリメン
・御からだまき
・キリヤ(3回)
・イメテ
(中申し上げ)
・十五くだり
「よろこび」「かなしみ」「ぐ
るりよーざ」
・敬いて
先・十一ケ条
・ラオダテ(オラッシャ)
(申し上げ)
・ナジョウ(オラッシャ)
(申し上げ)
・グルリヨーザ(オラッシャ)
(申し上げ)
・尊き
(申し上げ)
・ぱらいぞのひらき
・でうすぱいてろ
(申し上げ)
壱部の「六巻」
(申し上げ)
・でうすぱいてろ
・万事に叶い給う
・れれにめーれすかあれす
・うらうらのーべす
・でうすぱいてろ
・キリヤ(6回)
・ケレド
・尊き
(申し上げ)
・ぱらいぞのひらき
・でうすぱいてろ
(申し上げ)